男女ともに気持ちよく働ける環境をつくることを前提に、女性活躍推進に取り組む。全社員が上司との1on1面談を行い、離職について原因の調査、アセスメントの分析から「働き方の選択肢を増やす」ことへのニーズが多いことがわかった。そのニーズを解決するためには、時短勤務の非正規雇用の従業員に長期的に勤務してもらい、社員が自身の通常業務に専念できるようにする必要があった。そこで時短勤務の非正規雇用の従業員でも登用が可能な役職を新設した。
女性従業員が安心して育児、育業(育休)を取得し、それまでの経験を活かして勤務できる環境に整え、さらにテレワークや時短勤務など柔軟な働き方にも対応した。この取組によってライフワークバランスやキャリアパスが整備された結果、従業員のモチベーションが向上し、定着率も改善した。働き方改革と労務管理の両面でも効果が表れ、企業全体のパフォーマンスも向上した。
女性活躍推進の取組を進める中で、大きな課題となっていた離職の原因調査において、女性活躍推進法の基礎4項目及びえるぼし認定基準も分析指標として使用。
数値化することで「新入社員の早期離職」という課題が明確化した。
解決策について社内ヒアリングを実施し、メンター制度を導入。
新入社員が抱えている不安やニーズをメンターが第三者目線で早期にキャッチアップし、フォローできるようにしたことにより、早期離職を防ぎ、職場全体の離職率が改善した。
働く意欲のある人にその人に合った働きやすい環境を提供するという方針を掲げ、女性向けのキャリア支援制度や資格取得支援制度を拡充。女性管理職候補向けの研修・メンター制度を実施した。
パート入社でキャリアを積み、正社員登用した女性従業員を部長職へ抜擢し、社内のロールモデル、メンターの役割を担うことで幅広い女性活躍の取組を言葉にして社内全体に落とし込み、実行に移していった。
小さい成功が積み重なることで活力ある組織となり、新たな女性管理職も増加した。
現場の意見を積極的に女性管理職が吸い上げ、改革を推進。
外部研修で参考になる事例は自社用にカスタマイズして実践、ボトムアップの制度の見直し提案も活発化など取組を進める中で、特に子育て経験者の効率的な働き方が評価され、時短やリモートワークなどその人それぞれに合わせた柔軟で多様な働き方が可能に。
これにより企業全体の生産性も向上した。
元来女性の活躍推進に理解が進んでいる企業ではあったが、採用においては業種の特性上、男性の応募が多かった。
そこで、高校生、大学生のインターンシップ制度を設け、実際にモノづくりに触れてもらう機会を作ることで、女性の応募が増加した。現在では、女性の正社員の大半が技術職で活躍。さらに育業(育休)取得、復帰率100%を実現している。
女性活躍推進の取組を進める中で、課題を抽出、分析するために、全従業員向けにアンケートを実施した。その結果、両立支援や「誰が休んでも業務が円滑に回る」ことへの要望が多いことが判明。
その現状を経営者層や管理職に理解してもらうことで、「誰もが休みやすい働き方」を目指して現場オペレーションの見直しを行った。現在では男性の育業(育休)取得も進んでいる。
卸売業のみの展開から小売業をスタートするにあたり、新たに女性従業員を採用。そこから女性の意見を取り入れた様々な取組が着手されることになった。
男性職人の手による製品や従来の販売方法に女性の視点が加わることで、直営の小売店舗の売上は拡大し、経営者層の意識も徐々に変わり始めた。
さらに、外部の女性活躍推進に関する研修に経営者層含めて積極的に参加し、そのコンテンツを社内研修として共有するなど全社員の意識を統一することで、えるぼしも取得した。
その結果、企業全体として、職人への応募も大幅増、従業員数は、女性活躍推進の取組前と比較して約2倍に。女性管理職も増加し、企業や商品のブランディング強化にもつながった。
結果として、企業全体を巻き込み、制度の見直しや教育体制を強化し、人材確保や売上3倍アップにつながった。